■□■□■□■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
■ アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ【Vol.22】2003年1月16日
□ DVDの評価表現、デシベル(dB)単位
□
http://www.ari-web.com/
□■□□□□□□□□□□□□ 株式会社エー・アール・アイ □■□■
前回は、新年1/2ということもあって通常のものではありませんでし
たが、今回から、また通常コラムでお届けします。
(URLクリッピングは、申し訳ありませんが、今回、お休みさせてい
ただきます。)
□はじめての方へ、
このメールマガジンのご登録をいただきましてありがとうございます。
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」は、隔週(第1、第3木曜日)
にお届けしています。内容を充実できるようにがんばりますので、末永く
お付き合いいただけますようお願い申し上げます。
■□■□■ CONTENTS Vol.22 □□□□□□□□□□□□□□□□□
1.開発ツールの話(15)
デバッガ、ICE (2)
2.サウンド(20)
DVDの評価表現「劇場上映時と...」
3.3GPP音声通信(15)
デシベル(dB)単位
4.(URLクリッピング) 【今回は1回お休みさせてただきます】
………………………………………………………………………………………
■1.開発ツールの話(15) デバッガ、ICE (2)
………………………………………………………………………………………
今回は、長期間の間があいてしまししたが20号からの続きに戻ります。
本年もよろしくお願い申し上げます。
前回は、デバッガやICEの概要のご紹介の途中まででした(スミマセン)。
デバッガの機能として次のような概要をご紹介し、1、2番の2項目を
簡単にご紹介したところまでが前回の内容です。
1.CPU、DSPの内部の状態(レジスタ、フラグなど)モニター
2.プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)
3.実行の停止(ブレーク、指定場所、条件付きブレーク)
4.1ステップ実行(ソースコード、実行コードでの1行実行)
5.任意部分の実行(および再実行)
6.ヒストリー(各種モニター情報の来歴記録)
7.各種ファイルのロード、セーブ
8.シンボル化(シンボル情報の読み込み、設定、編集)
9.CPU、DSPの内部の状態(レジスタ、フラグなど)モニター
10.プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)
▼20号(前回)の内容は、バックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/bn/20021219.htm
今回から3以降について簡単にご紹介しようと思います。
■3.実行の停止(ブレーク、指定場所、条件付きブレーク)
デバッグやテストなどで、状態を調査するために実行時の状態で停止
するのが、このブレーク機能です。
ブレーク機能は、大きく分けると2つのブレーク機能に分かれます。
1つは、リアルタイムブレークというもので、名前の通り、キー操作
などで即時停止する機能です。もう1つは、あらかじめ停止条件を決
めておいて条件が成立したときに停止する機能です。ブレーク・ポイ
ントや条件付きブレーク機能などがあります。
リアルタイム・ブレークは、開発ツールによって機能に差があり、
デバッグの目的では、本来は、ビデオのポーズ状態のように状態を一
時停止の状態で保持されるのが好ましいのですが、パソコンのデバッ
ガなどのように特殊な環境にしない限り、リアルタイム・ブレークで
きなかったり、停止すると、止まる代わりに終了状態になってしまう
ものもあります(組み込み用でも可能とは限りません)。
もう1つの、ブレーク・ポイントは、実行プログラムの停止位置を実
行前に指定してその場所が実行されるタイミングで停止させて、状態
を調べるための機能です。
▼@IT (アットマークIT) Insider's Computer Dictionary
ブレークポイント (breakpoint)
http://www.atmarkit.co.jp/icd/root/08/5787408.html
「実行されるタイミング」というのが、現在のCPUではプリフェッチ
(コードの先読み)や、パイプラインなどによって厳密には、半分実行
状態だったり、プロセッサによっては、任意のコードで停止できると
は限らないなど、停止状態が単純ではなくなりました。
インテルのPentium4などのようにコードがμOPコードに変換されて
キャッシュ、パイプライン並列実行されるようなプロセッサですと、
ソースコードと、厳密な意味での実行前停止状態というのが、定義す
るのも難しいことになっているかと思います。
条件付きブレークは、ICEの中堅以上の性能を持つデバッガが持って
いる機能で、先のブレーク・ポイントに色々な条件を設定できるもの
です。パソコン用でも簡単な機能は一部利用できます。
・特定の範囲、または指定位置のメモリを指定回数アクセスで停止
(参照のみ、書き込みのみなどの条件も含む)
・指定個所のコードを指定回数実行通過した後停止
(実行前に停止もあります)
・指定メモリが特定の値であった場合に停止
(特定値で読み込み、特定値で書き込みも含む)
というような条件が代表的なもので、高機能になるとこの組み合わ
せを順序をつけて、例えば、指定回数の実行の後、メモリを参照し
た時などと設定できるものもあります(シーケンス・ブレーク機能)。
今回は、ブレークについてだけですが、次回も引き続き残りのご紹介
をお届けする予定です。
それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。
▼ARIは、デジタル機器のハードウェア、ファームウェアの開発を
お手伝いしています。
http://www.ari-web.com/develop/index.htm
………………………………………………………………………………………
■2.サウンド(21) DVDの評価表現「劇場上映時と...」
………………………………………………………………………………………
このコラムは音や音響についての話題をお届けしています。前回は、
特別版でこのコラムは1回お休みさせていただきましたので、今回
が、今年初めてお届けするサウンドコラムになります。
本年もよろしくお願い申し上げます。
今回は、DVDの評価を中心にDVDプレーヤーとソフトについて書かれ
ていたコメントの中に「劇場と比較して」というような表現を複数見
る機会があり、少し気になりましたので「劇場と比較して」について
書いて見たいと思います。
「劇場の上映時とDVDを比較して...」というコメントをオーディオ
系雑誌とWEBサイトととで見かけました。取り上げられていたDVDソ
フトは、どちらも「スターウォーズ エピソード2」です。
広告を兼ねてという性質が強いこともあってか、「エピソード1」
と比較して画質が向上している点などが取り上げられていることが
多いのですが、その中に「劇場での公開時のフィルムに比較しても
高画質」とか「音響バランスがDVDの方が良いのではないか」などの
コメントが記載されているものがありました。
この「劇場と比較して」は難点があります。
劇場=映画館での上映と比較することは良く判るのですが、都市部
の大型の映画館では、スクリーン、客席、音響設備とも良好ですが、
設備は同一ではありませんし、音量の調節なども上映館によって様
々です。
一体、どの劇場で状態されたものをどの客席で評者が観覧したのか
が問題でして、読者が見た上映、映画館と異なる可能性の方が高い
ですから、「劇場と比較して」のコメントによって想定される上映
状態は正しく伝わらないように思います。
もし、読者が設備のない映画館で見ていれば、音響効果も、映像も、
DVDの方が上質になる可能性は高いですし、最新設備でデジタルで
見ていた場合、果たしてDVDが良好といえるかは疑問です。まして
や、音響バランスについては、劇場の音響バランスや上映時の音量
は、館ごとに大幅な開きがあります。
雑誌かWEBサイトの記事だったか失念しましたが、「アルマゲドン」
という映画が公開された時、記事の筆者が「最近の映画は、音量が
不必要に大きいと感じる」というテーマで、東京都内の「アルマゲ
ドン」上映館で同一シーンの音量を実際に測定するというという記
事がありました。具体的な数値を上げて、上映館ごとの音量差が大
きいことと、90dB台後半の大音響が連続する演出は本当に必要か(
こちらが記事の本論です。同一の料金で上映館に差があることに問
題があるという、大音量と上映館の差が記事のテーマです)という
記事載されていました。
DVDの「スターウォーズ エピソード2」は「エピソード1」より
高画質だと思いますし、良好な品質の製品だと思いますが、「デジ
タル上映に迫る」などの表現をするには、全体にソフト画調ですし、
色ノイズが出るカットもあります。
DVD評価の複数の記事で「劇場の...」が使われており、これはDVD
ホームシアターなどの評価記事やDVDソフトの評価で良く目にします
が、良く用いられる「劇場の...」には客観性や基準がありませんの
で適切ではないですね。
それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。
前回までの内容については、バックナンバーをご覧ください。
▼バックナンバー目次
http://www.ari-web.com/mm/bn/index.htm
………………………………………………………………………………………
■3.3GPP音声通信(15) デシベル(dB)単位
………………………………………………………………………………………
前回までは3GPPの各測定項目別に測定内容のお話ををさせてい
ただきました。今回は音声通信の第15回 デシベル(dB)単位です。
▼前回までの内容はホームページのバックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/bn/index.htm
3GPPが規定する音響測定では、[dBmPa]や[dBspl][dBm0]など、様
々なデシベル(dB)単位が使用されています。
デシベル(dB)は、音量や信号の量的な尺度として常用されています。
音量の尺度単位とした場合、人間の聴覚が指数的な特性を持つこと
から、量的な数値が直感的に判りやすいように、デシベル単位の値
は対数変換した数値になっています。対数ですから、基準とする値
との比率を定量化しています。
基準とする値の種類や数値化の変換は、単位を用いる対象に合わせ
て便利になるように設定されているのが、デシベルという単位に複
数の種類があり、測定方法や規定によって用いる単位が異なる理由
です。
基準になる値は電圧であったり電力や音圧であったりします。この
基準値の異なる単位がデシベル(dB)単位です。
▼デシベル(dB)についてバックナンバーでもお話ししています。
http://www.ari-web.com/mm/bn/20020321.htm
それでは、3GPPが規定する音響測定で使用されているデシベル単位
をご紹介します。
■[dBspl](ディー・ビー・エスピーエル)
[dBspl]は、20[μPa]を基準とした単位です。SPLは、音圧(Sound
Pressure Level)を表しています。1[Pa](パスカル)は94[dBspl]と
なります(20μPa = 0 dBspl)。
94 dBspl = 20 log ( 1 / 0.00002 Pa )
天気予報などで、[hPa]ヘクトパスカルで伝えられているのが気圧
であることはご存知かと思います。[Pa]パスカルは圧力を表す単位
です。
基準の 20[μPa]は、人間が聴覚できる最小の音圧(1kHz)、最小可
聴音の音圧です。1KHzという周波数は、聴覚の中で感知しやすい周
波数ですから、その最小可聴音を基準にした音圧の尺度としての単
位が[dBspl]ということになります。
最小可聴音の音圧を0(ゼロ)dBsplとして、音圧の比率を単位化した
ことになります。聴覚との関係で音圧を扱う尺度となりますから、
マイクロホンや騒音計などの音圧の感度などで多く用いられる単位
です(splが省略されて単にdBと記載されていることもあります)。
マイクロホンの校正(精度の調整)にはキャリブレータ(校正器)
の基準音圧は 94dBpsl が利用されますが、この94dBという値は1Pa
の音圧を加えてという基準で考えられているということです。
3GPPが制定する音響測定では、測定条件の環境騒音などがdBsplの
単位で規定されます。
■[dBPa](ディー・ビー・パスカル)
[dBPa]は1[Pa]を基準とした単位です。dBsplは最小可聴音の音圧
20[μPa]を基準にしていましたが、dBPaは、1Pa(パスカル)を0
dBになりパスカル(圧力)を元にした単位になります。
0 dBPa = 94 dBspl
この [dBPa] は、オーディオなどではあまり利用されない単位で
すが、3GPPを含めた携帯電話での音響測定規定では、マイクの
音圧にdBPaの単位が使用されています。
ダミーヘッドの口元のマイク(MRP点)の音圧(送話の特性)や、
受話の特性において、ダミーヘッドの人口耳内のマイク(ERP点)
の音圧を表す時などはdBPaで規定されています。
今回は、3GPP規格で使用されているデシベル(dB)単位の内、2
種類をご紹介しました。次回は、dBm、dBV、dBV/Paなど他にも
あるdB単位についてご紹介する予定です。
▼ARIは3GPP,GSM,PDC音響測定に対応した「3G携帯通信開発用
音響測定システム MTA-1WB-S」を開発・販売しています。
http://www.ari-web.com/mobile/3g/mta01-wbs/info-3gpp.htm
………………………………………………………………………………………
■編集後記
今回は、URLクリッピングを1回お休みさせていただきました。申し
わけ有りません。
このメールマガジンの追い合わせ先メールアドレスには、多くのスパ
ムメールが送られてきます。「未承諾広告※」というものに代表され
るいわゆる迷惑メールです。
先日「未承諾広告※」の違法メールの関連記事が掲載されていた所に
よると、このサブジェクト(件名)表記が守られているのは、2割程
度とのことでした。「末承諾広告※」や「未承諾広告米」や全角半角
違いで「未承諾広告*」など違反したサブジェクトをつけるもしくは、
未記載が多いそうです。
このような件名にしてもプロバイダーなどのスパム自動フィルターを
通過させたいということは、配信業者が到達メール数で営業していて、
対効果、成功報酬などで契約しているわけではないということなので
しょうね。
メール広告を送信していなかった方が「法律で決まり正当にメール広
告を送信することができるようになったので、どんどん送信する」と
仰る認識の方もいらっしゃるようなので、このルールの方式と認知は、
やはり、うまく機能していないといえるのではないでしょうか。
メールマガジンも興味がなくなれば見なくなるので、スパムと同じだ
という説もあります。このメールマガジンがスパムメールとならない
ように機を引き締めて取り組まなければいけないですね (^^;。
このメールマガジンの配信サービスは、配信停止要求で簡単に確実に
停止されることを確認できたサービスを利用しています。残念ながら、
ご興味がなくなって配信をご希望にならない場合には、いつでも配信
停止してください。即時に配信されなくなるはずです。
万一メール配信が停止されないなどの障害がございましたら、ご連絡
いただければ幸いです。弊社ではご登録いただいているメールアドレ
スを取得しておりませんので、代理配信停止や確認をすることはでき
ませんが、配信サービスに問い合わせる、依頼するなど、問題のある
配信を停止するために可能な範囲でご協力させていただきます。
それでは、次回、2003年2月6日Vol.23もよろしくお願いします。
ARI A&S 編集部
【配信】……………………………………………………………………………
このメールマガジンは、次のメール配信サービスによって発行
されています。
Melma! :
http://www.melma.com/
Pubzine:
http://www.pubzine.com/
まぐまぐ:
http://www.mag2.com/
Macky!:
http://macky.nifty.com/
めろんぱん:
http://www.melonpan.net
メルマガ天国:
http://melten.com/
E-Magazine:
http://www.emaga.com/
カプライト:
http://kapu.biglobe.ne.jp/
【配信中止】………………………………………………………………………
配信中止をご希望の方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、
登録いただいた各配信先で解除いただきますようお願い申し上げ
ます。(みなさまにご登録いただいたメールアドレスは弊社では
記録、収集しておりません)。
Melma!
http://www.melma.com/mag/96/m00058796/index_bn.html
Pubzine
http://www.pubzine.com/detail.asp?id=17084
まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000086886.htm
Macky!
http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=poparimm
めろんぱん
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=002937
メルマガ天国
http://melten.com/m/10326.html
E-Magazine
http://www.emaga.com/info/arimm.html
カプライト
http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/5842.html
【ご意見・ご感想】………………………………………………………………
なお、このメールマガジンが対象としているような技術や音響
などの内容についてご意見、ご感想、投稿など歓迎いたします
ので、なんでもお気軽にお寄せください。
▼ご意見、ご感想送信はこちらのE-Mailアドレスへお願いします。
mailto:[email protected]
□■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□ 発行/編集 株式会社エー・アール・アイ
□ Amenity Research Institute Co.,Ltd.
□ 〒192-0081 東京都八王子市横山町6-9 丸多屋ビル8F
□ TEL :0426-56-2771 FAX :0426-56-2654
□ URL :
http://www.ari-web.com/
■ お問合せ :
mailto:[email protected]
■ Copyright(C) 2002. ARI.CO.,LTD. All Rights Reserved.
□■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■□■□■□■