ダミーヘッド、無響室、FireWire

アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ vol.7
音響と技術 メールマガジン
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音響技術とソフトウェア、ハードウェア開発

音響と開発 : Sound & Development
株式会社エーアールアイ / ARI
ARI CO.,LTD.
アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ

ダミーヘッド、無響室、FireWire

07

メールマガジン「アメニティ サウンド 音と快適の空間へ」は、現在、休刊中です。 バックナンバーのコラムの内、サウンドコラムと技術開発コラムは、 サウンド、技術開発コラム に再編集、一部加筆修正して掲載していますので併せてご利用ください。

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■ アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ【Vol.7】2002年6月6日
□    ダミーヘッド、無響室、FireWire
□    http://www.ari-web.com/
□■□□□□□□□□□□□□ 株式会社エー・アール・アイ □■□■

□はじめての方へ、
このメールマガジンのご登録をいただきましてありがとうございます。
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」は、隔週(第1、第3木曜日)
にお届けしています。内容を充実できるようにがんばりますので、末永く
お付き合いいただけますようお願い申し上げます。

 ■□■□■  CONTENTS Vol.7 □□□□□□□□□□□□□□□□□

  1.開発ツールの話(1)ご案内
  2.サウンド 音響測定(7)-周波数特性(その2)
      伝送周波数特性の対象
  3.3GPP音声通信(2) ダミーヘッド
  4.IEEE1394はFireWireに(URLクリッピング)

………………………………………………………………………………………
■1.開発ツールの話(1)ご案内
………………………………………………………………………………………
 ARIは、音響関連機器の開発をお手伝いさせていただいたり、製品を
 自社開発するなどしています。今まで、開発、技術関連について書い
 ていませんでしたので、今回から数回、ソフトウェア、ファームウェ
 ア開発について、開発ツールについてを中心にお話します。
 
 内容としては

 (1)ソフトウェアの分類
 (2)開発ツールの種類
 (3)開発ツールの選択方法
 (4)補助ツールを作成する
 
 というような内容でおとどけする予定です。いつものように余談が
 多くなったらスミマセン。(^^;

 今回は、ご案内です。次回からよろしくお付き合いください。

 なお、このメールマガジンが対象としているような技術や音響などの
 内容についてご意見、ご感想、投稿など歓迎いたしますので、なんで
 もお気軽にお寄せください。

 ▼ご意見、ご感想送信はこちらのE-Mailアドレスへお願いします。
 mailto:[email protected]

………………………………………………………………………………………
■2.サウンド 音響測定(7)-周波数特性(その2)
        伝送周波数特性の対象
………………………………………………………………………………………
 この連載は、音響業務関連として音響測定や音に関する内容をお届け
 しています。前回までの内容をご希望の方がいらっしゃいましたら、
 バックナンバーをホームページ掲載していますのでご覧ください。

  ▼バックナンバー(ページ左側のメニューで選択してください)
 http://www.ari-web.com/mm/

 前回は、伝送周波数特性の測定についての第1回だったはずなのです
 が、倍音の話になってしまいました(^^;。今回は、周波数特性につい
 てお話します。

 伝送周波数特性とは、受音点での(ホールやスタジアムの客席など)
 周波数の違いによる音圧レベルの変化を示す特性です。周波数特性に
 「伝送」とついているのは、アンプやスピーカなどの電気系統から空
 気伝播まで含めた音が伝播、送出される伝送経路の周波数特性である
 ことを指しています。

 単純に周波数特性(f特)というと、アンプやミキサーなどの機器の
 周波数特性なのか、スピーカの周波数特性なのかということになるの
 で、このように伝送経路トータルの特性であることを明示しています。
 伝送経路のトータルな周波数特性ですから、ミキサーだけ、スピーカ
 だけ、アンプだけの個別の機器の周波数特性とは異なる特性となりま
 す。さらに、ホールの客席など放送サービスエリアでの周波数特性で
 すから、建物、室の影響も含まれています。

 ご参考までに...ご存知かもしれませんが、スピーカーの機器の特性
 を測定する場合には、通常、無響室でスピーカから基準とする距離と
 方向での音響特性を計測します。

    …… 無響室 ……………………………………………………
     無響室というのは、ご存知の方もいらっしゃるかもしれ
     ませんが、残響(エコーなど)が全くない状態で、完全
     防音の音響測定用の専用測定室です。

     テレビなどで録音スタジオの風景をご覧になった方がい
     らっしゃるかもしれませんが、あのようなスタジオ状の
     部屋になっています(窓の大きさは大分違いますが)。
     
     スタジオも防音、遮音してあるのですが、スタジオの場
     合には、適度なエコー、残響がある状態にしてあります。
     これに対して、無響室は、残響がない状態に壁が完全に
     吸音できるように作られています(窓が非常に小さかっ
     たり、無かったりするのは窓の反射音をなくすためです)。
     
     一般の方はあまり機会がないかもしれませんが、音の反
     射が全くない独特の感じがします(うまく表現できませ
     んが...)。大抵の人は、あまり快適な場所とは感じない
     ようです。
    ………………………………………………………………………
 
 今回は、伝送周波数特性の伝送経路についてお話ししました。次回
 は、測定方法などについて進めたいと思いますので、よろしく、お
 付き合いください。それでは...(^^)

 ▼音響関連のサービス情報については、ARIホームページをご覧く
  ださい。
 http://www.ari-web.com/sound/

………………………………………………………………………………………
■3.3GPP音声通信(2) ダミーヘッド
………………………………………………………………………………………
 前回は、「圧縮と通話のはなし」と題しまして、携帯電話の世代と
 あまり技術的ではない音声圧縮などについてお話しました。
 
 ▼第1回 3GPP音声通信(1)圧縮と通話のはなし
 http://www.ari-web.com/mm/bn/20020516.htm

 ITU(国際電気通信連合)が策定した「IMT−2000」とい
 う次世代携帯電話規格の第三世代(3G)通信方式には、W−CD
 MAとCDMA2000の2つの通信方式があります(日本で採用
 されているものは)。

 ・W−CDMA方式  (3GPPが標準化を推進。
    ドコモ、J−PHONEが採用)
 ・CDMA2000方式(3GPP2が標準化を推進。
               au、TU−KAが採用) 

 ▼ITU(International Telecommunication Union -
   Telecommunications Standardization Sector)
   国際電気通信連合の電気通信標準化部門
 http://www.itu.int/ITU-T/

 ▼キャリア各社へはARIの通信キャリアへのリンクにあります。
 http://www.ari-web.com/link/mobile/carrier.htm
 
 W−CDMAは3GPP(3rd Generation Partnership Project)
 CDMA2000は3GPP2という団体が詳しい仕様の標準化を
 すすめています。ARIは、3GPP(W-CDMA)に対応した測定製品を
 開発、販売していますので、W−CDMA端末に対応した音響特性
 についてお話します(3GPP2については、またの機会に...)。
 
 さて、次世代携帯電話(すでに第4世代が話題に上がるようになっ
 て来ていますので、以後、第三世代を3Gと呼びます)など、3G
 端末は、従来の携帯電話などに比較して音質が向上していると情報
 誌やニュースなどで言われてます。各製造メーカーは、3GPPの
 策定した規格に適合するよう音響測定、解析を行って、音響の特性
 が適合した製品となるように通信端末の開発を進めています(この
 測定を3GPP音響測定などと通称されています)。

 3GPP音響測定では、端末の音声の聞きとり易さ、音量などにつ
 いて制定されている音響特性などを、ダミーヘッドと開発中の端末
 を使って実際の通話状態のように無線を通して測定します。

 ▼3GPPの規格は、こちらの3GPPのホームページで公開され
  ています。
 http://www.3gpp.org/ 

    …… ダミーヘッド ………………………………………………
     ダミーヘッドは、上半身のマネキン人形のような形状を
     した音響用の機器です。ARIのホームページの3GPPコ
     ーナーにある写真に写っているマネキンのような人形が
     ダミーヘッドです。

     ダミーヘッドという名の通り、人間の頭部を模した、主
     に頭部の問題を扱うためのダミー人形です。頭部や肩な
     どの形状によって、聴覚に与える影響を調べたり、頭部
     での音の解析や干渉などを作り出すために利用されます。

     ダミーヘッド録音という言葉を聞かれたことがあるかも
     しれません。これは、ダミーヘッドの耳の中にマイクを
     入れて、人が実際に鼓膜で聞いている時に近い状態で、
     ステレオ録音する方式や、録音された音です。ダミーヘ
     ッド録音をした音は、実際に聞いた時のように立体感が
     ある音に聞こえます(通常のマイク録音よりは)。

     ▼モバイルのトップの背景写真が少し大きな写真なって
      います。
     http://www.ari-web.com/mobile/

     ダミーヘッドや立体音響については、またの機会にホー
     ムページでも取り上げたいと思います。
    ………………………………………………………………………

 ダミーヘッドには、両耳の中にマイクが、口にスピーカが埋め込
 まれています。ダミーヘッドの内耳マイクの信号が出力に、入力
 信号が口内スピーカーから音声となって出力されます。

 ダミーヘッドに携帯電話を取り付けて、通話すると、送信した音
 声は、内耳マイクで集音でき、口のスピーカから信号を出すと、
 携帯電話から音声通話として無声送信できるようになり、実際に
 携帯電話で通話しているような状態にすることができます。3G
 音響測定は、ダミーヘッドに端末を取り付けた状態で測定します。

 今回は、測定に使用するダミーヘッドに関することをお話しまし
 た。ダミーヘッドや立体音響、音の頭部回析などについては沢山
 お話したいことがありますが、別の機会にします。次回は、3G
 で実際に測定しなければならない測定の内容を予定しています。

 エー・アール・アイは3GPP音響測定に対応した「3G携帯通信
 開発用音響測定システム MTA−01WB」を開発・発売してい
 ます。
 ▼MTA−01WB製品情報
 http://www.ari-web.com/mobile/index.htm

………………………………………………………………………………………
■4.IEEE1394はFireWireに(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
 WEB参照可能なニュースや掲載記事から毎日伝えられるニュースや記
 事から気になる情報や、翌日には埋もれてしまいそうな記事をピック
 アップしてご紹介しています(このメールマガジンの発行周期が隔週
 ということもあって新しい記事ばかりではありません)。

 アップルの"FireWire"の商標、ロゴなどがIEEE1394規格団体1394ト
 レード・アソシエイションで正式採用になったそうです。

  ▼1394 Trade Association、アップルのFireWireの商標を採用
  http://www.apple.co.jp/news/2002/may/30firewireta.html
  ▼1394 TRADE ASSOCIATION
  http://www.1394ta.org/

 ビクターのミニノートPCにAVアンプなどで採用している圧縮され
 た音楽の再現高音質改善技術「CCコンバーター」(コンプレッション
 ・コンペンセイティブ・コンバーター)をソフトウェア化して搭載し
 たモバイルミニノートPC“InterLink”MP-XP7210/XP3210(A5サイズ)
 を6月上旬に発売するそうです。

 製品ページにCCコンバータの説明もあります。CCコンバーター
 は、同社のAVアンプなどに搭載されています。

  ▼ビクター “InterLink”MP-XP7210/XP3210
  http://www.jvc-victor.co.jp/products/pc/MP-XP7210.html 
  ▼ビクター AVコントロールアンプ 「AX-V7000」
  http://www.jvc-victor.co.jp/products/hifi/AX-V7000.html
 
 昨年から話題になっていたCDコピーコントロール技術の情報ページ
 リンク集がインプレスAVウォッチに掲載されています。

  ▼コピーコントロールCD関連リンク集(インプレスAVウォッチ)
 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/link/cccdlink.htm

………………………………………………………………………………………
■編集後記
 URLクリッピングのところで取り上げましたように、AV機器のデジタ
 ル回線として大本命とされていたIEEE1394の正式な名称が決定され
 ました(過去形は怒られますね。スミマセン)。

 大本命とされ、長距離規格ワーキンググループ(WG)やプリンターWG
 など活発に活動されて来ていますが、なんとなく、アップル・コンピ
 ュータのFireWireと、ソニーのi-Linkの呼称や、互換性、さらに、
 インテルのUSBを中心とする戦略、無線LANの台頭などによって、一般
 には、影が少し薄くなったように見えるIEEE1394です。

 USB2.0対応のコンピュータや周辺機器などが、いくつも販売されて
 来ています。どうしても、一般メディアの記事ではUSBとIEEE1394の
 速度や接続などが主な内容になり勝ちですが...

 プロ音響や音響設備などでデジタル回線を利用することを考えると、
 長距離伝送は避けて通れません。数メートルの距離で事足りてしまう
 家電AVやコンピュータだけで、ロング・ディスタンスが忘れられると
 困るなあ...と思っていましたが...

 FireWire決定は、個人的にはビック・ニュースだと感じます。
 それでは、次回6月20日に
                         ARI A&S 編集部

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