【Vol.20】2004年4月号
「ARIアメニティ&サウンド マンスリー」は、 毎月 第4金曜日にお届けしています。 みなさまにお楽しみいただけますよう努力する所存ですので、 今後とも末永くお付き合いいただけますようお願い申し上げます。
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Amenity & Sound アメニティ & サウンド

Monthly マンスリー
20044月号 CONTENTS

1.技術・開発コラム

モチベーションが低下中 ?

2.音と音響の四方山

防音と測定の話 -前編-

今回は統計のニュース関連と音響測定と防音の話題です。 音響のコラムは次回にも続きます。

編集後記  配信サービスと停止      2004年4月23日発行

1. 技術・開発コラム モチベーションが低下中 ?

このコーナーは、 ディジタル機器の開発やソフトウェア開発にかかわることなど、 技術・開発に関するコラムをARIならではの観点で お届けできればと考えています。

ニュースによると、 技術系の社員のモチベーションが3年前と比較して低下している という統計が出ているそうです。

 ▼技術系の45%やる気減退 3年前と比較、民間調査
  Yahoo!Japan 社会ニュース - 4月13日 共同通信
   http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040413-00000126-kyodo-soci

ニュースでは成果主義やリストラなどの影響もあってか、 技術系社員の45%が3年前より モチベーションが低下したとアンケート回答しているとのことです。

アンケートの設問と結果

アンケートの設問や方法は、 統計結果に対して影響があるとされていることは良くご存知かと思います。

アンケートの設問が、 一定の方向性を持った誘導的な設問であれば、 統計が実施者のほしい傾向になります。 また、回答者がアンケートの主旨を理解していて、 設問がから結論が予想できる場合も結果は一定の傾向を持つでしょう。

心理テストなどは、主旨も、回答から導きだされる結果が予想しにくいために、 その主旨と結論を娯楽として書籍やメディアで扱われますが、 アンケートの中には、設問による誘導や、 回答者が予測して回答することを排除するために、 無関係な設問を加えたり、回答数を多く、 回答時間を短くするものもあります。

中には、相当な数の設問で短時間に行う調査もあるようですが、 回答者にストレスもかかるでしょうから、 余裕を持って回答した時とは異なる 少しストレスの影響が出た結果になるのではないかという気もします。

理由?

理由を見ると、「職場の人間関係」、 「事業戦略の閉塞感」、 「評価・待遇に不満」 がそれぞれ6割を超えていますが、 これは職場や勤務先に対する不満としては代表的なところという感じです (色々な不満な理由は、 おおよそこの3点に分類もできそうです)。 とりわけ、特徴的な要素というものでは無いように見えます。

現在のように社会的に不安要素が多く、 不景気な情勢では、 おおよそ、 満足しているという回答をする人も少ないでしょうから 驚く結果ではありませんね。 むしろ、 モチベーションが高かった場合には、 色々とその理由を知りたくはなりますが……

3年

3年前と比較して」 ということですが、 3年前よりモチベーションが上がる人より、 下がる人の方が、本来的に多いような気がします。

研修期間がそれなりにある企業では、 4月の新入社員が、まだ、配属されていなかったりする時期ですが、 もし、3年ほど前に入社した新入社員であれば、 入社したばかりのころからモチベーションが低いということも少ないので、 社会人の生活にも完全に慣れ、 仕事に対しても新鮮な興味は薄れていることでしょう。

必ずしも仕事に興味があって就業している人ばかりではありません。 また、技術職の場合には、 本来モチベーションを高く持てる人であっても、 興味を持てる分野の担当をしているかどうか という点にも大きく影響されそうです。

入社時に興味を持っていた分野とは、 違う製品の担当になることは少なくないでしょうから、 仕事の対象でもモチベーションが下がる人がいるかもしれません。 実際には、 多くの技術者が自分の担当分野において興味の対象や課題を見つけて、 取り組むことで専門家として成長することになります。

技術職に限ったことではなく、 ほとんどの職種についていえることだろうと思います。

今年はどうでしょう

この統計のように 新入社員が配属される先では技術者のモチベーションが 低下しているようですが、 今年、入社される技術系の新卒の方は、 どのように感じるのでしょうか。 5月病も4月病くらいになっていると耳にして久しいですが、 今年も、夏までに離職してしまうという人の割合は多いままでしょうか。

石の上にも3年といいますが、 専門職は、3年ほど何かに取り組むと、知識も豊富になり、 非常に鮮明に課題や興味が持てることが見えてくるといったことも起こります。 分野にもよるでしょうが、多くの技術分野において、 数ヶ月間で豊富な知識や 専門家としての見識を持つことは困難でしょう。

専門職はある程度以上の経験をしてみないと 存在するものが見えないので、 短期間で離職する人が多い傾向にあることは 社会的な損失が生じているとも言えるような気がします。

それでは、次回もよろしくお付き合いください。 (^^)

ARIは、デジタル機器の ハードウェア開発、ファームウェア開発、音響システム開発音響設計音響測定などをお手伝いしています。
▲CONTENS

2. 音と音響の四方山 防音と測定の話 -前編-

音と音響の四方山このコーナーは 音や音響についてのコラムをお届けしています。 あまり指向を決めているわけではありませんので 雑多な感じになりますが、 お付き合いいただければ幸いです。

ARIは音響関連のお仕事をさせていただいていることもあって、 専門を超えた音響機器や 音響のご相談のメールやお電話をいただくことがあります。

騒音計

ご存知の騒音計は、 専門の測定器なのでやはり少し高価です。

普通のマイクとレベルメーター、 あるいは、AV機器などのように一般の価格、 家電量販店で購入することができるものではありません。

騒音計 イメージ 騒音計という名称が一般的な呼称かと思いますが、 騒音に関する測定だけに利用されるわけではなく、 マイクで集音して測定する音響測定では良く利用されています。

音響の測定は基本的に音量(音圧)を測定しているので、 騒音計で音量を測定されることも一般的です。 現在は、コンピュータによるデータ処理を 可搬性の良いノートPCで行うことも可能になっていますから、 マイクで集音してPCで記録、 処理することの方が多いかもしれませんが併用されることもあります。

音響測定や防音

個人の方から 防音や音響測定などに関してのご相談をいただくこともあります。 騒音計などをレンタルするなど色々と検討する余地もありますが、 ご自身で手軽に測定や防音を行いたいというお話は 中々難しいことが多いです。

音響測定に関しては、 以前にも取り上げていますので、 今回は、防音関係の話題にしたいと思います。

効果と目標、測定

防音関係にと申しましたが、 防音を行うとすると、 まず、 現在の状態を測定し、原因や目標を検討する必要があります。

オーディオルームなどで趣味目的で行うため効果のほどは問わない、 ご自身で色々試して楽しむことが目的と仰る方は、 測定はそれほど重視されないかもしれませんが、 効果が判らないと楽しくもないかもしれません。

騒音などの問題から、 防音したいとお考えの方の場合には、 工事や対策費用などが妥当なのか、 概算でどれほどの工事が必要になりそうかと、 目標や方法を検討するにしても、 工事後に評価するにも、 騒音測定(正当な音量の測定) が必要です。

最低でも前後の2回の測定が必要になります。 従って、測定に難があったり、 その費用や手段が見込めないと仰る方には防音も難しいといえます。

測定が可能であるだけでなく、 そのデータを評価することも必要になります。どのような問題であっても、 測定や評価は必要になりますが、 こと防音や騒音対策については、 音量の測定が絶対的な指標であるといえるでしょう (本当は音質、種類も重要ですが)

防音、遮音、吸音

防音はARIの専門ではありませんが、 防音について簡単に考えて見ます (お問合せいただいた場合には、 専門外の問題については専門家の方にお尋ねいただくようにお願いしています)

問題や目標によって、 防音の手段は全く異なるというお話をすることが良くあります。

専門的な問題は少し置いておいて、 「外から来る音を室内に来ないように遮音したい」 のか、「部屋から近隣に出る音 (例えばオーディオなど) を低くしたい」 のかという点だけを考えてみます。 目的とする方向が180度異なるように、 建物、部屋のどの部分が問題となり、 どの部分で防音するのかという視点が異なってきます。

外から室内に来る騒音を遮断する場合には、 音源に対策することは比較的難しく、 建物のどの部分から騒音が入ってくるのか (伝わるのか) を検討して対策することになります。

一方、室内から近隣への漏れを少なくするという問題の場合、 音源となっている物の音量を下げることまで含めて検討することも できます(防音ではありませんが)。 建物の特定の部屋でだけ漏洩しやすい場合もありますから、 利用する部屋を変えるだけで 劇的に外部に漏れる音量を低下させることも可能かもしれません。

外来の騒音の場合、 地面などから伝わっている振動が原因である場合だってありますから、 原因によって防音対策が異なるのは当然ですね。

問題としている周波数でもその対策は異なってきます。 このあたりは、次回に続けたいと思います。

それでは、次回もよろしくお付き合いください。 (^^)

ARIは、デジタル機器の ハードウェア開発、ファームウェア開発、音響システム開発音響設計音響測定などをお手伝いしています。
CONTENS

編集後記

今年の4月は、東京は、初夏なみの気温になる日があります。

ARIは、東京の八王子市という東京の端にあるのですが、 八王子市まで来ると山梨県が近く、富士山が結構大きく見えます。

気候も都心部とは少し違うようで、 必ず、気温が2、3度違うようなのですが、 数日前にテレビの天気予報を見ていたら 7度の気温差がありました。

数年前の秋ごろにタクシーに乗ったとき、 運転手さんが「 八王子方面から来るお客さんは、服装が違うから判る」 といわれたことがあります。 厚着をしていたからではなく話の流れで出てきた言葉です。

でも、 都心部と7度も気温が違うことは少ないように思いますが……

それでは、来月もよろしくお願い申し上げます。

ご意見、ご感想、技術関連のご投稿 など歓迎いたしますので、なんでもお気軽にお寄せください。
※ご感想をお寄せいただきありがとうございます。 全ての方に返信できなくて申し訳ありません。 この場で御礼申し上げます。

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